口腔内装具(マウスピース)
無呼吸の程度が軽症~中等度の場合、口腔内に装具を装着して寝ると、下あごを前方に固定して空気の通り道を広げることで、呼吸がしやすくなります。作製は歯科に依頼しておりますが、睡眠検査の結果を記載した診療情報提供書を持参していただくことで、健康保険で作製していただきます。
CPAP(経鼻的持続陽圧呼吸)療法
CPAPは、Continuous Positive Airway Pressureの略で、持続的な気道への陽圧という意味です。機械で圧力をかけた空気を鼻から気道(空気の通り道)に送り込み、気道を広げて睡眠中の無呼吸を防止する治療法です。気道が狭くなり生じる中等度以上の睡眠時無呼吸症候群に対して、有効な治療方法として欧米や日本国内で最も普及している治療方法です。鼻閉があると、十分な治療効果が得られないために、鼻の治療も行う必要があります。 保険診療となるためには月に1回の受診が必要になります。その場合の診察は、予約制をとっております。
手術による治療
小児では、アデノイド肥大や扁桃肥大が原因となっていることも多く、その場合は手術を行うことで、病状の改善が期待できます。その他、高度の鼻閉に対しては、手術が必要な場合もあります。このような場合、経験豊富な基幹病院をご紹介致します。
その他
減量
肥満が原因になっている場合には、効果があります。重症の方が中等症になり、CPAP療法から口腔内装具による治療に変更可能な場合もあります。
薬物投与
鼻閉を改善させるために、内服薬や点鼻薬を投与することがあります。また、甲状腺機能低下症も、閉塞性睡眠時無呼吸の一因となることがあり、その場合は、甲状腺ホルモン剤を投与します。
睡眠中の姿勢
少しでも重力の影響を受けないように、体を横向きにして寝ると症状が軽減する場合もあります。検査の結果、有効と判定されれば、簡便な対策法をご指導致します。
CPAP治療開始後
CPAP治療を行うことで、いびき・睡眠中の無呼吸・血液中の酸素不足を軽減する効果がありますが、これにより以下のようなさまざまな変化が見られる場合があります。
- 高血圧の治療中の方が、血圧が正常に近づき、血圧を下げる薬を減らすことができる。
- 夜間にトイレ行く回数が、減る。
- 昼間の眠気が軽減し、安心して車を運転できるようになる。
- 毎朝、起きたときに「ぼーと」していたが、しなくなる。
- これまで、ダイエットがうまくいかなったが、減量しやくなる。
- 近くで寝ている方が、熟睡できるようになる。
このような効果のあるCPAP治療ですが、
- 口の中が乾く
- 鼻がヒリヒリする
- 顔にマスクの型ができる
- 音がうるさい
- マスク内に結露が生じる
という問題点もあり、
これらへの対策として、
- マスクの再調整や変更
- 設定圧やモード等の変更
- 加湿装置の装着
- ホースの保温
- 鼻処置、吸入および薬物治療
などを行います。